対馬の和多都美神社を観光するなら|竜宮伝説が宿る海中鳥居の全部見せます

対馬を旅するなら、和多都美神社(わたづみじんじゃ)は絶対に外せません。

浅茅湾の静かな入り江に並ぶ5本の鳥居、そのうちの2本が海の中にそびえ立つ光景は、
まるで竜宮城の入り口に迷い込んだかのような感覚を覚えます。

この神社は単なる観光スポットではなく、神話の時代から語り継がれてきた「海宮」です。

山幸彦こと彦火火出見尊と、海の神の娘・豊玉姫命が出会い、結ばれた地として、
日本最古の神社の一つに数えられています。

この記事では、和多都美神社の歴史・見どころ・ご利益から、アクセスや参拝マナーまで
知っておくべき情報をひとつにまとめました。

初めて対馬を訪れる方にも、リピーターの方にも役立つ内容をお届けします。

目次

対馬・和多都美神社とはどんな場所か

和多都美神社は、長崎県対馬市豊玉町に鎮座する、日本でも有数の古社です。

海の神・豊玉彦命がこの地に宮殿を築き、その場所を「海宮(わたづみのみや)」と名付けたと伝わります。

以来、神話と歴史が重なり合う神聖な場所として、今も多くの参拝者が訪れています。

竜宮伝説が息づく「海宮」の正体

和多都美神社は、海そのものを御神体として崇める「海宮」という特別な性格を持っています。

山幸彦(彦火火出見尊)が失った釣り針を求めてこの地を訪れ、豊玉彦命の娘・豊玉姫命と出会い、
3年間滞在した末に夫婦となったという伝説が残されています。

この物語こそが、日本各地で語られる浦島太郎伝説の原型だとも考えられており、
神社全体が竜宮城を象徴する空間として今日まで受け継がれています。

御祭神・彦火火出見尊と豊玉姫命について

和多都美神社に祀られているのは、夫婦神である彦火火出見尊と豊玉姫命の2柱です。

  • 彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと):山幸彦とも呼ばれる天照大神の孫神。海宮で3年を過ごし、豊玉姫命を妻に迎えた
  • 豊玉姫命(とよたまひめのみこと):海神・豊玉彦命の娘。縁結び・子宝・安産のご利益と深く結びつく
  • 豊玉彦命(とよたまひこのみこと):龍神の姿を持つとされる海の大神。息子の穂高見尊は海人族・安曇氏の祖神ともいわれる

延喜式にも記された格式の高さ

平安時代に編纂された「延喜式神名帳」には、对馬嶋上縣郡の神社として和多都美神社の名が「名神大」の格式で記されています。

貞観元年(859年)には清和天皇から従五位上の神階を賜り、さらに1381年には従一位を授けられた、
格式の上でも最高水準の神社です。

九州全体で107社が名を連ねる延喜式神名帳のうち、対馬だけで29社が登載されており、
この島がいかに神聖な地として重んじられてきたかがわかります。

和多都美神社の見どころを徹底解説

境内には、見るたびに新しい発見がある見どころが点在しています。

海と森と神話が一体となったこの場所では、ゆっくり時間をかけて歩き回ることをおすすめします。

5本の鳥居と海中鳥居の神秘

和多都美神社最大の見どころは、社殿から海へと一直線に並ぶ5本の鳥居です。

五ノ鳥居(社殿側)から一ノ鳥居・二ノ鳥居(海側)へと順に続き、
最も海寄りの2本は常に海中に立っています。

鳥居の名称位置特徴
五ノ鳥居社殿直前拝殿の入り口に立つ
四ノ鳥居参道中程参道の中心に位置
三ノ鳥居水際満潮時に足元が波に触れる
二ノ鳥居海中潮によって沈み具合が変わる
一ノ鳥居海中(最先端)2020年台風で倒壊後に再建

満潮・干潮で変わる絶景の楽しみ方

和多都美神社の風景は、潮の満ち引きによってまったく異なる表情を見せます。

個人的には満潮時がおすすめです。

海水が鳥居の足元を包み、まるで社殿が海の上に浮かんでいるように見える光景は、
ほかのどこにもない特別な体験です。

一方で干潮時には一ノ鳥居の足元まで歩いて近づけるため、
鳥居を間近に見たい方には干潮のタイミングも見逃せません。

  • 満潮時:鳥居が海に浮かぶように見える幻想的な景色。冬の早朝は朝霧も重なり絶景
  • 干潮時:砂浜が現れ、一ノ鳥居まで歩いて近づける。写真映えするアングルが増える
  • 冬の早朝:朝霧が浅茅湾を包む幻想的な時間帯。訪れる人が少なく静かに参拝できる

磯良恵比寿と三柱鳥居という珍しい存在

社殿の前には、背面に鱗状の亀裂が入った不思議な磐座(いわくら)があります。

この岩は「磯良恵比寿(いそらえびす)」と呼ばれ、神功皇后の新羅征討の際に先導役を務めたとされる
阿曇磯良(あずみのいそら)の墓と伝えられています。

また参道脇には、国内でも珍しい「三柱鳥居」が立っています。

三方向から3本の柱が支え合う不思議な構造で、京都の太秦木嶋坐天照御魂神社の三柱鳥居と並ぶ存在として神社ファンの間で知られています。

裏参道と原生林で感じるご神域の深さ

社殿の裏手には、長崎県指定天然記念物にも認定された「豊玉の和多都美神社社叢」が広がっています。

スダジイやウラジロガシを主体とした照葉樹の原生林で、裏参道を歩くと太古の自然がそのまま残る空間を体感できます。

裏参道の拝観料は100円です。

樹齢を重ねた巨樹が林立する森の中を歩けば、神社が持つ本来の深さと静けさを体で感じられます。

豊玉姫命の御陵と磐座の伝承

裏参道をさらに進むと、豊玉姫命の御陵とされる場所にたどり着きます。

壇状の地形の奥に磐座が静かに佇む光景は、神話の世界に踏み込んだような感覚を覚えます。

この磐座については、社家の伝承では豊玉姫命の墳墓とされていますが、
「仁位の高山に葬られた」という別の記録も残っており、その起源は今も謎に包まれています。

ご利益と御朱印・授与品の情報

神話の夫婦神を祀る和多都美神社は、縁結びから海上安全まで幅広いご利益で知られています。

参拝の記念となる御朱印も、近年大きく注目を集めています。

縁結び・海上安全・子宝のご利益

和多都美神社でいただけるとされるご利益は次のとおりです。

  • 縁結び:海宮で出会い結ばれた夫婦神にちなむ
  • 子宝・安産:豊玉姫命の御神徳として古くから信仰される
  • 海上安全:海の神・豊玉彦命を祀る海宮ならではのご利益
  • 開運・厄除け:名神大社としての格式に裏付けられた力

切り絵御朱印とオンライン授与所の使い方

和多都美神社の御朱印は、縁結びをテーマにした切り絵デザインが人気です。

夫婦神と海中鳥居を組み合わせたデザインや、龍神と金箔の鳥居を描いたデザインなど、
複数の種類が頒布されています。

遠方で訪れるのが難しい方向けに、オンライン授与所での御朱印取得も対応しています。

神社の公式サイト(watadzumi.com)から申し込み可能です。

和多都美神社への行き方とアクセス情報

対馬は本土から船か飛行機でのアクセスになります。

神社自体はレンタカー必須のエリアにあるため、移動手段を事前に確保しておくことが大切です。

対馬へのアクセス(飛行機・フェリー)

交通手段出発地所要時間備考
飛行機福岡空港約35分ANAが運航。1日複数便あり
飛行機長崎空港約30分オリエンタルエアブリッジが運航
フェリー博多港約2時間10分(高速船)〜約5時間(フェリー)ジェットフォイルまたはフェリーを選択

神社までの車・レンタカーでのルート

和多都美神社は対馬空港から車で約40分、厳原(いづはら)の町からは国道382号線を北上して約1時間かかります。

島内の公共交通機関は本数が少ないため、レンタカーの利用が事実上必須です。

空港や厳原港の近くにレンタカー店が複数あるため、到着後すぐに手配できます。

駐車場・参拝料・周辺施設の情報

項目内容
住所長崎県対馬市豊玉町仁位字和宮55
駐車場神話の里自然公園に約20〜30台(無料)
裏参道拝観料100円
参拝時間自由(24時間)
定休日なし
Wi-FiTsushima City Wi-Fi あり
電話番号0920-58-1488

参拝前に知っておきたいポイント

神聖な雰囲気が漂う和多都美神社をより深く楽しむために、
訪れる前に知っておくと役立つ情報をまとめました。

おすすめの参拝時間帯と季節

最も美しい光景を見るためには、時間帯と季節の選び方が重要です。

冬の早朝は、浅茅湾に朝霧が漂い、鳥居が霧の中に浮かぶ幻想的な風景に出会えます。

夏は緑が深くなり、森と海のコントラストが鮮やかです。

  • 早朝(6〜8時ごろ):観光客が少なく、静かな雰囲気の中で参拝できる
  • 冬の朝霧の時期(12〜2月):鳥居と霧の幻想的な写真が撮れる
  • 満潮のタイミング:潮汐表を事前に確認し、満潮に合わせて訪れると海中鳥居が最も映える
  • 平日:週末に比べて参拝者が少なく、じっくりと境内を歩き回れる

古式大祭など年間行事の見どころ

和多都美神社では、旧暦8月1日に古式大祭が行われます。

この祭礼では「命婦の舞(みょうぶのまい)」と呼ばれる舞が奉納されますが、
これは芸能史上最古の舞のひとつと評されており、観客を神話の世界へと誘う圧巻の儀式です。

あわせて伝統的な和船競漕「舟グロー」も行われ、地域の人々が古来からの文化を守り続ける姿を間近で見ることができます。

参拝マナーと注意点

和多都美神社は、今も現役の神社として地域に根差した信仰の場です。

境内では静粛に参拝し、社殿や鳥居を傷つける行為は絶対に避けてください。

  • 参拝の作法は二拝・二拍手・一拝が基本
  • 鳥居や磐座には絶対に触れないこと
  • ゴミは必ず持ち帰ること
  • 写真撮影は自由だが、社殿内の撮影は控える
  • 大声や騒がしい行動は慎み、神聖な雰囲気を守ること

まとめ|和多都美神社は対馬でいちばん心が動く場所

海に立つ鳥居、神話の夫婦神、龍宮伝説、原生林の裏参道。

和多都美神社にはそのすべてが凝縮されており、ただ景色を眺めるだけでなく、
日本神話の世界に身を置く体験ができます。

満潮と干潮で表情が変わる海中鳥居を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

潮の時間帯に合わせてスケジュールを組めば、同じ神社でも全く異なる2つの絶景を味わえます。

御朱印巡りが好きな方には、切り絵御朱印もひとつの楽しみになるはずです。

対馬の自然と歴史と神話が交わる、ここにしかない特別な場所。

次の旅先のリストに、和多都美神社をぜひ加えてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次